東北太平洋大震災の救援が思うように進んでいない。地震、余震、原発、計画停電という天災・人災のなかで、先日菅首相が冷静な対応を、と呼びかけたが、実は冷静な対応を望むなら、それができるだけの「情報と策」を提供してほしい、と言いたい。
曖昧ではっきりしない報道の姿勢については常々このダイアリーで書いてきた。そして今回もこの「はっきりしない」報道は継続しており、この報道を聞いていると疑問が次々にわいてくる。例をあげよう。
計画停電についてのNHKニュースから、
「こうした計画停電が行われますと、信号は作動しなくなる可能性もあるので十分注意して下さい」
エッ、と疑問がわく。
・停電になってもついている信号があるのか。
・ついている信号があるとすれば、それはどうしてか。
・停電になってもついている信号とついていない信号があれば危険ではないか。etc.
NHKはただ問題をぼかして報道したのか。
はっきり、
「停電では信号は作動しません。従って注意して運転して下さい」
ではなかったのか。それとも停電でも作動する信号があるのだろうか、不明である。
もうひとつ、3月17日午前9時のニュースから、
「福島原発5号・6号機で、水温度が昨日にくらべ各々数度上昇している。
という報道があった。
しかしこれは昨日に比べての「相対的変化」を伝えるだけの内容だ。
私たちが「冷静な判断」をするのに必要なのは、
温度の上昇は、
「昨日と相対的に比べ」ではなく、
「正常の絶対的基準に比べ」
どの程度(何割)上昇し、
それは、理論的にみて、
「何パーセントのリスク」
があるか、ということである。
つまりマスコミ自体が感情的で、客観的な報道がなされていないのである。そして津波の悲惨な映像ばかりを繰り返し流し続けている。
今、必要なのは冷静な判断ができるだけの客観性をもつデータ内容だ。マスコミ、しっかりして下さい。そして視聴者は、データの曖昧な報道に対して疑問をきちんとぶつける必要があるだろう。
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