上院議員のケネディがなくなり、今、ボストンではお葬式が行われ、テレビ、ラジオが生中継している。お葬式にはオバマ大統領をはじめ、ブッシュ、カーター、クリントン前・元大統領などVIPが集合して参加した。
ケネディ氏がケネディ家の大物議員という認識をお持ちの方は多いと思うが、ケネディ氏はその名前だけでなく、実際の行動で人々に大きな影響を与えていたようである。
私の所属するダナ・ファーバー研究所(ハーバード大学直属のがん研究所)の職員ニュースサイトの第1面は、ケネディ氏の業績についてふれ、彼が研究所にがん研究のための研究員を政府から得られるように努力してくれたことが記されていた。
ケネディ議員は、貧しい人々の医療格差、知識格差をなくすよう努力もしており、その働きもあり、ここマサチューセッツ州は医療保険のカバー率が他の州よりよいのだと聞いた。アパートの近所に住む私立学校の教師は、収入が比較的少ない人には加入しやすい胃ステ無もあり便利だと言っていた。
ケネディ議員は大統領にはならなかった。しかし、驚いたのは葬式ではなく、その前日に行われたお別れの会と、自宅からジョン・F・ケネディ・ライブラリー(記念館)に運ばれる時の沿道だ。数千人の市民が国旗を手に車に向かって手を振って見送っていた。
人種、年齢がさまざまな人々の姿を見ていると、いわゆる「地位」(大統領でなくても)を持たずとも人々の心に影響を与え、尊敬の念を起こさせる政治家の存在が浮き彫りになった。
政治が一部の企業の利益のためになるのではなく、本当に市民、国民のためになることを考えられる政治家がいるのがうらやましく思えた。
新政権づくりの渦中の日本。亡くなった時、VIPだけでなく市民が数千人も見送るような政治家がいるかしらと、ふと思う。
2009.8.30 sun