Aさんは薄味が苦手だ。はっきりした味でないと食べた気がしない。
妻はだしをきかせた料理が得意なのだが、結婚後20年もたつのに妻の料理よりデパートやスーパーで売っている加工食品の方が好きで、夕食でも自分で買ってきたものを食べてしまう。そのことでもめたこともあったが、妻ももうあきらめて、Aさんの好きなように、ということにしていた。
ところが、最近の検診で血圧が180近くなり、生活改善を指摘されてしまった。塩分をひかえるようにいわれたが、これが大変。Aさんは何にでもしょうゆやソースをたっぷりかけなければイヤなたち。しかも、塩分をひかえるコツになるだしをきかせたものも嫌いだし、風味をよくして塩分を減らすことができるお酢も好きではない。
Aさんの母親はフライや天ぷらをよく作り、Aさんは塩をたっぷり使った料理を食べて育った。妻がいくら塩分の少ない料理を作っても、子どものころに食べたものの影響の方が強いようだ。
さて、アメリカがしばらく前から無脂肪ブームなのはご存知の通りである。チーズからヨーグルトまでしっかりノンファット。
しかし、脂肪はなくても砂糖は入っている。それだけダイエットを気にするなら砂糖を気にした方がいいと思うのだが、何にでも砂糖なのだ。
私は甘いものは嫌いではないが、甘くちゃいけないものまで砂糖が入るのは困る。フランスパン、ヨーグルト、ミルクにまで砂糖だ。砂糖0グラムという表示のパンを見つけたことはない。
日本では隠し塩を使うが、アメリカでは隠れ砂糖なんだと気がついた先日の大統領就任式を研究室スタッフとランチをとりながら見たが、ピザの方が野菜たっぷりのラップサンドより人気。子どものころからの食生活は、その後ずっと影響する。親や大人の責任は大きい。
2009.2.22.sun
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