家族同様にかかわっている家の息子が結婚するAさん。その息子さんのお相手の女性について、
「本当にいいお嫁さんになりそうなの。近所のお年寄りがいろいろ無理なことをい言っても、嫌な顔ひとつせず、聞いてあげてるの」

うーむ、と思わずうなってしまう。普通なら聞き流してしまう言葉にひっかかるのは、職業故。嫌な顔ひとつしないのは、みんなに称賛される。ノーと言わないで引き受けてくれる人は、「いい人」「いいお嫁さん」。しかし、本当の心の中はどうだろう?

我慢するのが必要な場合もある。だが、我慢して押さえ込んだ思いを抱え込んだまま過ごすと、どんどんそれが重くなる。重くなった心が、更なる心の落ち込みの元になることも。あるいは、ちょっとしたことで爆発したり、体が不調をきたしたり。さまざまな問題に発展するのを、今まで散々見てきたのだ。

そこで提案。嫌な顔ひとつしないのは大賛成。ただし、それで引き受けるのではなく、嫌な顔ひとつせずにノーと言うのはいかが?断るときに感情を込めると角が立つ。ノーとは言うが、嫌な表情を見せず、上手に自分の立場を表現してみれば、と思う。

もうひとつ。自分ができることできないことを明確にしておき、普段から周囲に伝えておくのも大切だ。

くだんのお嫁さんになる女性は、これからの長い人生、いつもその調子で生きていくつもりかしら。

周りにとって「いい奥様」「いい人」は、往々にして周りにとって「都合のいい人」になることがある。ずっと我慢を続けて、ある日突然、切れたり、燃え尽きたりしないように、自分の気持ちをきちんと表現する能力を身につけてほしい。そのための提案が、「嫌な顔ひとつせず、気持ちよく断ろう」。いかがでしょう、試してみませんか?