海原純子の医学講座
美容貯金
>>第3回 肌美人になるにはまず「胃」から(前編)

チェックリストの結果
0〜5項目 まず問題なし
6〜9項目 少し胃をいたわってあげる必要あり
10項目以上 生活改善しないと、胃から美しさが失われる可能性あり

いかがでしたか? それでは次に、胃をいたわってきれいになるための処方箋を、いくつかご紹介しましょう。


処方箋(1)胃美人になるメニュー


メニュー1:胃美人になる朝食
・パパイヤのハーフカット
・有機栽培シリアルーカップにローファットミルク150ミリリットル、小麦胚芽少々とオリゴ糖を加えるカフェラッテ、またはハーブティー。
※ハーブティーの場合は窓辺にペパーミントの鉢をおいて自家製ハーブを使用するとベスト。

メニュー2:胃美人になる朝のアクティビティー
・浄水1リットルをペットボトルに入れペパーミントエッセンシャルオイル2滴を加える。よくふって、うがいや歯みがきに使う。口内がすっきりして、口臭防止に役立つ。
・少し肌に熱いなと感じるくらいの温度でシャワーをあびる。足の三里のつぽ(足の脛骨の外側、ひざの少し下の部分)にシャワーをあてる。シャワーのあと三里のつぼをマッサージする。このつぽは胃腸の働きをよくするので朝食前に胃がすっきりする。

 ミルクや乳製品には胃粘膜をいたわる作用があります。ストレスや睡眠不足で弱った胃粘膜に対して、ミルクはやさしくいたわる働きがあるのです。朝、胃がからになったとき、ミルクを1杯飲んでください。シリアルやオートミールを加えてもよいでしょう。もちろんヨーグルトも同様の働きがあります。
 お酒を飲む人は、ミルクを飲んでおくと胃を保護する働きがあります。また胸やけがおこる人にも良好です。胸やけがする人は、胃と食道をつなぐ部分のバルブが弱く胃液が逆流し、胃酸で食道がただれ、逆流性食道炎といわれる状態になっています。このただれが胸やけの原因になりますが、ミルクは酸を中和する作用があるために、症状を改善できるのです。

 朝、エッセンシャルオイルでうがい薬をつくってうがいをしたり、シャワーをあびることは自律神経の調整になります。胃は自律神経に支配されています。これはよくご存じですよね。ちょっとイライラしたりあせったりするだけで交感神経が緊張し、胃の血行は悪くなり、消化機能はおとろえてしまいます。朝イライラとあせることは胃美人になるのには大敵です。少しゆとりをもって起き、シャワーをあびてください。


処方箋(2)胃美人になる6カ条


第1条 アイスコーヒー、アイスティーをなるべくやめて温かい飲み物にする
第2条 週にl度は親しい友人といっしょに食事をする
第3条 夕食のときテレビをやめる。おいしいな、と心から感じられるものをl皿つくる
第4条 1日15回腹筋をして胃の周囲の筋肉をつくり胃下垂を防止する
第5条 一度の「どか食い」をしない
第6条 1日1回リラックスタイムをとり交感神経の緊張をとる

 アイスコーヒーなどの飲み物を多くとると、胃液が薄まり消化能力が低下します。ひかえめにしてください。塩分の強いもの、くん製、加工食品は胃粘膜に萎縮性変化をおこします。これが胃炎のもとになるのです。さらにビールを飲んでくん製などを多く食べると胃の中でニトロソ化合物が発生し、将来ガンのリスクも高まるといわれています。緑黄色野菜やフルーツは、このリスクを軽減するといわれていますので、たとえばパパイヤなどはこの予防に最適なフルーツといえます。

 楽しく食事をする、おいしいなと感じて食べることは胃液の分泌を良好にします。孤独にテレビを観ながら、その日の悪いことを思いおこしてイライラしながら食べると胃液の分泌を低下させてしまいます。極力「楽しく食べる」ことが胃美人への道です。

キーワードは「楽しく食べる」


 さて、腹筋運動をきちんとすることはとても大切だというお話をしましょう。胃は周囲に筋肉組織があり、しかもまわりが靭帯で支えられています。腹筋の発達度と胃のまわりの筋肉の発達度は、ほぼ相関するといわれているのです。腹筋のない人は胃周囲の筋肉も弱く、胃下垂になりやすいといえます。胃下垂は特に悪い病気とはいえませんが、食べたあともたれたり、いちばん困るのは下腹だけがポコリと出たようになってスタイルが悪くなることです。いくらやせていても、格好がよくないのはちょっと。しっかり腹筋運動をして、胃下垂を防止しようではありませんか。

 1日2食で一度のどか食いも胃下垂の大敵です。ダイエットでこんにゃくをいっぱい食べると胃の容量が大きくなり、体重減少には成功しても、胃下垂になり、おなかが出た感じになることがあります。何事もほどほどに……。
最後に・・胃は「心」の状態を映し出します。いい気分で過ごしていると胃粘膜も元気で胃液分泌も活発、でも時間に追われてイライラすると、すぐに調子をくずします。

 吸収が低下すると必要なビタミンの供給が充分にできなくなり、特にビタミンB2が不足すると口のまわりがあれたり唇の皮がむけたり、肌あれの原因になります。胃を元気にすることは、肌を美しくするポイントだとおぼえておいてくださいね。

 そしてもし便が黒っぽくタールのようなとき、のりのつくだ煮状のときは、胃や十二指腸潰瘍から出血している可能性もありますので要注意。ただし、イタリアンでイカスミのスパゲティーを食べたときは、便が黒くなっても心配無用です。
楽しく食べて、元気な胃美人になってくださいね

>>第3回 肌美人になるにはまず「胃」から(前編)