生理の2?3日前から頭は重いし何となくイライラ、腰もだるくて熱っぽい。
肩こりや顔のむくみは月経前症候群だろうとあきらめがつくものの、生理が始まってから初日、2日目と腹痛がひどく、おなかがしぼられているようにつらくなるとのこと。
痛み止め持参で出勤し数時間ごとにひそかに服用しているものの、すぐに痛みがひどくなり、座っているだけでつらくなってしまうのだそうです。
数年前に一度受診したものの、「子どもを産めばなおるよ」と言われて薬を処方されただけで一向によくならず、もう二度と病院には行かないゾとL子さんは思っていまちす。
この男女雇用機会均等法時代、生理だから、と休むわけにもいかないし、かといって痛みはひどいし、と悩んでいる方のためにここでは生理痛について考えてみましょう。
まずは生理痛をチェックしてみることにしましょうか。
チェックリスト(13)生理痛チェックポイント
いかがでしたか。 16項目のうち、5項目以上あてはまる方は生理痛についてもう一度対策を練っておく必要があります。 特に1〜6、15、16があてはまる方は病気がかくれていることがあるので要注意。生理痛が年々ひどくなり、痛み止めが生理の3日目以降も必要なときは、子宮内膜症の可能性があります。 |
生理の量が多い、厚手のナプキンでも安心できない、かたまりが出る、などのときは子宮内膜症や子宮筋腫の可能性があります。子宮内膜症のときには痛みのために吐いてしまうこともありますし、生理のときふつうなら体温は下がるはずなのに、微熱が続いたりします。
おなかがふくらんでみえたり、生理のときちょっと動くと心臓がドキドキする症状をともなう場合は子宮筋腫があり、貧血になっているかもしれません。いずれにせよ、生理痛がひどい、量が多い、熱が出る、というときには、診察を受けたほうがよいでしょう。
上のテストの8から14までは、生理痛の環境要因チェックです。じっと座りっばなしで仕事をしている人、特にデスクワークや受付で仕事をしている女性は、骨盤内の血液循環が悪くなり生理痛がひどくなります。足もとが冷えるところで長時間仕事をするスチュワーデスやスポーツのインストラクターも、子宮の収縮が強くなりやすいのです。
心理的要素としては、生理なんてうっとうしくてイヤ、と思っている人、母親が生理痛がひどく、「女なんてソンだわ」などとしじゅうぼやいている環境で育つと、生理痛は重くなる傾向があるようです。
処方箋21 Dr.純子流生理痛対策8つのメニュー
●パート1●シナモンフレーバーミルク
ローファットミルク100〜150ミリリットルを温め、シナモンパウダー少々とオリゴ糖またはきび糖小さじ2杯を加える。シナモンスティックでかきまぜると香りが高い。シナモンには生理痛を和らげる作用と抑鬱気分改善作用があるので、特に生理痛や腰痛で気分が滅入っているときにはおすすめ。ミルクのカルシウムで気分の安定作用も期待できます。
●パート2●カモミールとローズのブレンドティー
カモミールには痛みを和らげる作用が、ローズには生理の周期を規則的にして月経前症候群を緩和する作用があります。これを利用してみてはいかがでしょう。ティーバッグを使って簡単にできるのでお試しを。●パート3●スクワッシュシナモンorパンプキンシナモン
生理中に甘いものが食べたくなるときにはこれがおすすめ。スクワツシュ(ズッキー二などのウリ類)やかぼちゃを蒸すかレンジで火を通し、シナモンをかけていただきます。ビタミンAの補給にもなり、休も温まります。ダイエットにもよい。それにおいしい。●パート4●足浴
くるぶしから下を洗面器の湯(心地よい程度の温度)につける。生理痛のひどいときは湯にべパーミントを3滴加えるとよい。ペパーミントは足、腰の痛みを改善し、生理痛を軽くする効果があるといわれています。これは、鬱気分にも効果あり。生理で頭がすっきりしないとき、お風呂に入る元気がないときは、足浴がおすすめ。足浴を約6分間行い、体が温まったところで両足をながめてください。一方の足がまだ血行が悪く白っぽいようなら、さらに2分間その足だけ足浴してください。
●パート5●アンダーウエア
生理痛対策に欠かせないのが下着選びです。きつい下着でガッチリと整えるのは生理中にはあまりよろしくない、というのは、体の動きが制限されて骨盤内の血液循環が悪くなり、子宮の収縮が強くなるからです。生理中は少しゆったりとしたアンダーウエアにしてみたらいかがでしょう。個人的にはラ・ペルラなどの∃‐ロッパブランドでコットン素材のおしゃれなものを選び、薄手のウエアを重ねるようにして冷えないようにするのがおすすめ。足もとも冷やさないようにタイツなどを上手に使うとよいでしょう。
●パート6●ネコ風ストレッチ
朝晩おのおの5分間でもよいから、体をのばす背伸びスタイルのストレッチをしてください。全身の血液循環をよくすることは、骨盤内の鬱滞を改善するのに必要なのです。歩くこともよいのですが、冬場など冷える場合は足もとを温かくしてください。●パート7●生理のときのDr.純子流アロマテラピー
生理痛に効果のあるアロマブレンドをご紹介しましょう。スイートアーモンドオイルを大さじ2杯ほど。ベースオイルとしてローズマリーとクラリセージ、ラベンダーのエッセンシャルオイルを各1滴ずつブレンド。ローズマリーには頭痛、生理痛を改善し、体の余分な水分を排泄させる作用があり、クラリセージには生理痛を軽くする作用、ラベンダーにはリラックス作用があります。生理で腰が重いときには、アロマテラピーをしながらアダージョ・カラヤンのCDなどきくとよいかも。
●パート8●生理のときのにおい対策
生理のときどうしても自分のにおいが気になる人は、下着をしまうとき、ラベンダーとレモングラスのポプリを入れてみてください。これらの香りにはデオドラント作用があるからです。私は、下着に対しては香水を使うより、こちらのほうが効果があると思います。生理痛のメカニズム
それでは最後に生理痛のメカニズムについてお話ししておきましょう。生理とは、子宮の内膜がはがれ落ち、外子宮口を通って腔を経て排出される現象ですね。生理のとき、子宮内膜を排出させるために子宮が収縮する際、痛みを生じます。これがいわゆる生理痛。外子宮口が狭い若い女性の場合(出産をしていないから狭いのです)、子宮は内膜を排出しようと強く収縮するので痛みが強いというわけ。これが機能性の月経困難症と呼ばれているもので、悪い病気がないのに痛みが強い場合です。
子宮後屈(うしろにねじれている位置の異常)などの人は、特に治療は必要ないことが多いものの、子宮の収縮が強くなるので痛みがおこります。
子宮の収縮は冷えや運動不足でも強くなりますから、ふだんのライフスタイルが改善のポイント。対策を実行すれば、痛みは少なくなるはずです。試してみてください。
さあ、もう一度ライフスタイルをチェックして生理を美しく乗り切りましょう。