企業のPRを担当しているR子さん（35歳）は、最近コレステロールと中性脂肪が高くなり検診で指摘されたということです。数年前からスポーツクラブに通いはじめ、ゴルフスクールで練習に励んでいるR子さんとしては不本意な結果でした。
でも、私から見るとR子さんのコレステロールや中性脂肪が高くなるのは予想できた結果です。その理由は、ですって？ それはR子さんの「性格」にあります。ある病気には、ある性格傾向の人がかかりやすいというデータがあるのです。アメリカではガンでさえ「ガン性格」と呼ばれるものがあるんですよ。今回は性格と病気の関係についてちょっと勉強しましょう。
それでは、まず下のテストに答えてください。
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1
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何でもまわりの人と競争し、勝ち負けが気になる | |
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2
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有名になりたい、人からほめられたい | |
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3
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時間に追われながら仕事をするのが好き | |
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4
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食事も早く、早口で絶えず動きまわっている | |
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5
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物事の進行が遅いとイライラしてあたりちらす | |
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6
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列に並ぶのがきらい | |
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7
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何もしないでいると罪悪感をもつ | |
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8
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旅行計画をたてるとき、もりだくさんなスケジュールをたてる | |
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9
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行動力とはたくさんの成果を生み出すことだと思っている （量を評価する） |
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10
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おけいこごとを3種以上同時進行している | |
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11
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スピード狂、車に乗るとすぐクラクションを鳴らす | |
| このテストはA型気質チェックです。A型気質といっても、これは血液型の「A」ではありません。アクティブ、アグレッシブの頭文字をとってA型気質と呼ばれているアブナイ性格傾向チェック。詳細は下記でお話しします。 0-3項目 おだやかルンルンタイプ 4-5項目 かなりアブナイA型予備群 6項目以上 立派なA型キャリアウーマン |
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いかがでしたか。A型気質はその名のとおり活動的で攻撃的な性格傾向、活発でどんどん自己主張をするタイプといえばよいでしょうか。いいじゃない、そういう性格、と思いますよね。もちろんよいところはたくさんある性格なのですが、ちょっと気をつけないと危険なこともあります。
というのは、A型気質はそうでない人にくらべ狭心症や心筋梗塞にかかる率が2.4倍以上高くなることが報告されているからです。むろんコレステロールや中性脂肪が高くなることも多いといえます。
男性のA型気質は企業のトップクラスに多いのですが、こうした方々は早朝ゴルフで突然死などということもあるのです。そして女性のA型気質は、タバコが多くなって肌あれをおこしたり、やけ食いで過食になり太りすぎてしまったり、モーレツに仕事をしすぎて睡眠不足でイライラしたり、おつきあいでアルコールの量がふえて肝臓が悪くなったり、と美容の面でよろしくないことがいっぱいです。
A型気質の人が問題なのは、人との勝ち負けがとても気になる性格、ということです。勝っているあいだはいいけれど、一度負けるととてもイライラしてストレスになってしまう。しかもそのイラだちをかくしてタバコや食べることでまぎらわしたりするのです。前述のR子さんも、仕事でちょっと人よりうまくいかないと、とたんにイライラして仕事帰りにケーキを買ってしまうことが中性脂肪増加の原因なのです。A型気質の人は負けずぎらいです。自分の負けを認めたくほ叫し、人に弱みを見せたくない。だから負けても表向きは平然とポーカーフェイスを装って、そのかわりイライラをタバコやスナック菓子やチョコレート、アルコールに向ける傾向があるのです。
さてA型気質の問題点の第2は、人に厳しいために友人ができにくいことにあります。仕事上の友人も「できる人」だけに限られます。のろい人や自分の意にちょっとでも添わない人はオミットしてしまいますし、行きつけのレストランも「素早くきちんとしてコストパフォーマンスが高い」ことが条件になるので「うるさい客」になります。いい人だけれどちょっとつきあいにくい人といえるでしょう。
人に厳しい一方、自分にも厳しいのでぐちは言いません。心から本音を言える人がほとんどいないことがストレスを増加させてしまうのです。 A型気質の第3の問題点は、遊びを遊びとしてとらえられないことにあります。趣味でスポーツを始めると、すぐ結果が気になる、ゴルフを始めるとスコアが気になる、お茶やお花をはじめると資格をとりたくなる、「食」に興味をもつとプロの資格をとりたくなるなどなど。つき進むあくなき向上心は結構なのですが、「人よりもっといいポジションに」「人よりいい資格を、早く」ということが気になって趣味を楽しめない、す ぐ勝ち負け競争になってしまうのです。
以前A型気質の人とトランプをしたら、ちょっと負けそうになるとすぐ熱くなり、機嫌が悪くなるのでやめてしまったことがあります。
A型気質の第4の問題点は、「スピードののろい人を許せない」性格傾向です。仕事ののろい人を給料どろばう、ぐず、と評価してイライラするのでそれがストレスになり、加えて人に厳しいことで対人関係を悪くしてしまうのです。イライラすることで肝臓でコレステロールの生産が高まり、血管の動脈硬化が促進されるというわけです。
A型気質は仕事も趣味もバリバリというアクティブタイプ。せっかくのよい性格を生かしてみたいものです。それにはいくつかの処方箋が必要かもしれません。
オートフレーク1カップ、くるみ少々、レーズン小さじ2、オレンジピール小さじ2、甘酒1カップ
オートフレークをフライパンで抄ったあと、すべての材料をまぜてオーブンで30分焼く（170度くらい）。または電子レンジで5分間加熱。
歯ごたえがよく、お酒やタバコに手を出さずにすみ、くるみとレーズンを噛むことでイライラを防ぐことができる。ペパーミントティーを加えると頭がすっきりする作用も。A型気質の人はあまり噛まずに急いで食べてしまうことが多いので、噛みごたえのあるくるみパンやレーズンパンなどをしっかり噛み、ゆっくり食べるとよい。
カモミールティーを飲みながら何もしない空白の時間をつくつてみる。絶えず時間に追われて何かをしないと気がすまない性格を、ちょっとかえてみることも大切。
A型タイプは、自分のスピードについて来られないのろい人を受け入れないことで、ストレスがたまります。自分と立場のちがう人を、その人はその人の生き方をしているのだと受け入れる寛容さが、自分をストレスから救うことに気がつく必要があるでしょう。
A型タイプは時間短縮のため、シャワーだけですませることが多いものです。体のこりがひどく、首や背中が痛いA型タイプは、ゆっくりお風呂に入ってください。カモミールのオイルを入れたり、イランイランを加えると血圧が落ち着きリラックスできるでしょう。
さて、A型気質の人はカゼをひいてもちょっと体調が悪くても無理をして悪化させる傾向があります。ストレスで顔に吹き出物などもできやすいので、性格チェックで自分はA型傾向ありと思われる方は、ちょっとのんびりを心がけてはいかがでしょう。
ときには少し寄り道をして、まわりを見渡すゆとりをもったほうが、いい女なのではないかしら。
きれいになりたい、20代のころ、そう思いました。30代もそう願い続けてきました。医者の生活はハードスケジュール、睡眠不足あり、食事は不規則、さらに結婚すると家事はあるわ、雑用はあるわ、「きれい」の足をひっぱることばかり。消毒薬で手があれたうえにお皿洗いの洗剤でダブルパンチ。きれいな長い爪をみがきたてた若い女性のマニキュアが羨ましい。40代もなかばを過ぎて、やっと観念しました。私は、私以外にな ることはできないんだ、と。
すべすべの手は無理、仕事をするのにか細く、頼りなげでしとやかではやっていけない。はやりのハイヒールで歩いていたら、重い荷物はもっていられない。でも、それだからといって「きれい」をあきらめるのは、私の美学が許さない。ありのままの私でも、できる範囲で努力してみたい。身体と心を、ストレスやダイエットや薬、また過激な運動で抑圧したり、痛めつけたりすることなく、「きれい」に縛られず、執着せず、 でも「きれい」を目指していたい。そう思ったのです。
男の顔が履歴書なら、女の顔と身体は、知恵と心の鏡といえるように思います。その人の内面が、必ず外見に反映してくることを、診療していると痛感します。
自分なりの生き方を見つけ、上手に身体を手入れして、自分を受け入れながら過ごしている人、まわりの人との比較や競争ではなく、自分のよさを見つけた人は「きれい」です。
さあ、「きれい」になるには、自分は条件が悪いわ、と思っているあなた、大丈夫ですよ。心と身体をちょっといたわって、あなただけのよさにみがきをかけてください。
女性は誰でも、みな、ひとりひとり「きれい」になれる可能性をもって生まれてきたのですから。