海原純子の医学講座

 一人でいる時間、自分と向き合う時間を一日どれくらい持っていますか?

 私はいつも「自分の時間」を持ってくださいとお話しているのですが、それは自分の時間を持つことで、自分をつくっていくことになるからです。

 人間は、生物学的にみな縄張りがあり、それが侵害されるとストレスになって疲れる、といわれています。ですから、通勤電車で混み合った時間を過ごし、会社で人と接し、仲間とランチに行き、また電車で込み合った時間を過ごすのは、すでにそのことだけでもストレスになっているのです。

 自分の時間で、自分の縄張りを回復しましょう。つねに人と一緒にいる生活の中では、自分と向き合う時間がないままに過ぎてしまいます。

「一人で過ごすパーソナルタイムを持つことは、自分らしい生き方の第一歩」
 そして、カフェでは手持ちぶさたでタバコに火をつけるのではなく、小さなノートに、
 自分の思ったことを書いてみたり、
 そのときのカフェから見えることをつづってみたり、
 あるいはイラストを描いたり
 してみましょう。

 私自身は、バッグにいつも素敵なノートを入れておき(今使っているのは、表紙が赤い革でできたノートで大きさはハガキ大ぐらい。ヴェネチアで買ってきたもの。素敵なノートを使うと、とても丁寧に使い、つづる文章も、書きなぐるのではなく、吟味して書くようになるから、いいものを使います)、カフェで、カプチーノなどを飲みながら、そのときの気分を書いたりします。

 こうした積み重ねが、自分自身とのふれあい、自分を知ることになるのだと思っています。

 パーソナルタイムを持てず、たえず人と一緒になっていないと不安な人、たえず人と一緒にでなければカフェやレストランに行けない人は、自分自身がない、依存的な人で、他者─男性やタバコや買い物、友人、家族などに頼らないと生きていけない傾向を持つのです。
 依存する対象がタバコでなくても、何かほかのものに次々と依存することになる「依存体質」を脱却しましょう。

 一人でパーソナルタイムを持てることは、そしてタバコに頼らずに、その時間を充実し楽しむことができることは、自分らしさの第一歩で、自分のできることは、きちんと自分でしていく、しかし、できないことは人に頼る、という「しゃんとした女」になる道だと思います。
 タバコをくわえてカツコいいふりだけするのではなく、タバコに頼らず自分の時間を過ごすレッスンをカフェでどうぞ。

 私はノートに書くことですが、あなたは、あなたなりの「しゃんとした」カッコいい自分と向き合う方法を考えてください。