眠れない、と悩んでいませんか? 寝つきが悪い、朝早く目が覚めてしまう、 眠っているはずなのに朝起きたとき満足感がないなど、眠りについての悩みはさまざまです。
睡眠は、いろいろなバロメーターになるもので、眠りに関する悩みのうち、「朝早く目が覚めてしまい(午前3時や4時ごろ)もっと眠りたいのに眠れない」という状態が2週間以上つづいて治らないときは「うつ」のサインということが多いので、受診したり、医師に相談してください。
次に寝つきが悪い人についてですが、寝つきが悪い人の場合、たいてい、
●ベッドの中でいろいろ考えごとをしてしまう
●寝る前にテレビやビデオを見たりパソコンに向かっている
●昼間、運動をあまりせず、体を動かさず、精神的な労働に従事している
ということが多いようです。
ヨーロッパのメディカルアロマテラピーの専門家たちは、不眠を、
(1)銀行家の不眠
(2)孤独感のつよい女性の不眠
の二つに分けていますが、前者は寝る前にパソコンを使ったり、昼間、運動をしない人たちの不眠、後者はあれこれ考えごとをしてしまう人の不眠といえるかもしれません。
ところで、アメリカで不眠に対する調査をしたところ、3800万人のうち15パーセントの人が不眠を訴え、ロス在住の1000人では30パーセントが睡眠障害を訴えているということです。不眠を訴える人は、世界各国でほぼ同じようで、ドイツでは男性が11パーセント、女性が19パーセントといいますから、悩みを持つ人はかなりの高率に上っているといえます。
また、寝つきが悪い、寝つくまで何時問もかかっていると訴える人の脳波を調べると、実際には数分で寝ているにもかかわらず、自分では時間がかかっていると感じているというケースもあり、眠りが浅い場合には、寝ているのに「寝ついていない」と思い込んでいることがわかります。
それでは眠りの質をよくするために、ぜひやってみたいことをお話ししましょう。
精神労働者「銀行家の不眠」を治す
処方1 眠る前のウォーミングアップ
せめてベッドに入る30分前には、
パソコン・メールをやめる。
テレビ、ビデオは見ない。
リラックスできる音楽をかけて、間接照明にして、のんびり過ごす。
足浴で、足先だけ温める。
足浴後、ぬるめのおフロにゆっくり入る。
ヨーロッパでは、銀行家、考えすぎの人はバジルの香りをかぐのがよいとされています。
メテルカピコールという成分がリラックスさせてくれ、緊張をほぐすのです。
処方3 昼間〜夕方のウォーキングなど
神経ばかり使い、肉体を動かしていないアンバランスが不眠につながります。
夕方の連動はいい睡眠のための処方箋。
ちなみに、寝る直前の運動は、神経を興奮させるのでNG。
「孤独な女性の不眠」を治す
ローズは、幸せな気分をつくり出してくれます。
ローズにはゲラニオール、シトロネオール、オイゲノー ル、抑うつやうらみなどの感情を解きほぐしてくれます。
ローズのエッセンシャルオイルはドーパミンの分泌を促してくれるといわれています。
ホホバ抽に1滴まぜて、みぞおちをマッサージすると、リラックスして寝つきがよくなります。
処方2 ピンク色の花を飾る部屋の中に明るいピンクの花を飾りましょう。ピンク色は、感情に働きかけ、リラックス、解放感を与えてくれます。
全ての不眠の人に対する処方箋
私たち地球上の生き物は、地球の自転にともなう一日のリズムに支配されています。
朝になると目覚め、夜になると眠くなるのは、このリズムのためなのです。
このリズムを無視するような現代生活(夜遅くまで仕事をしたり、テレビを観たり……)が不眠の引き金となっているわけです。
休日だからと午後まで寝ていると、体のリズムは乱れて、夜寝つけなくなるといえるのです。
昼寝も30分以内。
それ以上になるとリズムが乱れてしまうのです。
自分の生活のベースをつくっておくと、自分の就寝時間、起床時間のリズムも自然にできてくるはずです。
一生のうちの1/3を過ごすべッドです。寝室の環境を整えて気分よく休めるようにしましょう。
寝室はきちんと換気し、カーテンは遮光性のものにする(ちなみに私は、防音、遮光カーテンを東急ハンズで購入、一緒にかけるレースのカーテンは当然、家で洗濯できるもの)。
温度……あまり寒すぎず、足もとは温かくしておく。
シーツ……綿で肌ざわりのよいものに。週に一度は替えること。
枕……最近は自分の頭に合った枕(オーダー枕)もある。
●二子玉川・玉川高島屋「ピロークチュリエ」
私は素材がダウンで柔らかいものをホンコンのコンラッド・ホテルで買って使っています。
処方3 アルコールはNG、カモミールティーがおすすめ、ホットミルクもよい
寝つきをよくしよう、とアルコールを飲む人がいますが、アルコールは眠りの質を悪くさせてしまいます。
深い眠り(ノンレム睡眠)をカットしてしまい、眠りが浅くなってしまうのです。
アルコールを飲むと夢をみたり、朝早く目が覚めてしまうことはありませんか?アルコールを寝酒にしていると、だんだん量が増えてくるのも心配です。
アルコールは食事の楽しみとして飲み、夜寝る前は、カモミールティーやホットミルクにしてください。ホットミルクは脳内ホルモンのセロトニンの分泌を促しリラックスさせてくれるといわれています。
人間は足元が温まるとリラックスして眠くなるものです。足浴の項を参照して試してみてください。